埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№37 障害か個性か才能か?

心のコラム

№37 障害か個性か才能か?


 わが子が「障害ではないか」と疑いをもったとき、多くの親は戸惑い、悩み、時に自分を責めることもあります。しかし、その子がもつ感受性や独自の行動様式は、一概に「障害」として型にはめてよいものではありません。
 社会の価値観が均一で、効率や協調を重んじる場面では、違いは「困りごと」として扱われがちですが、多様な価値観が受け入れられる成熟した社会では、既存の価値観と異なる言葉の使い方や音楽、絵画などの表現は、個性であり、時として才能として認められます。
 一方で、感受性が強く、独自の認知や行動パターンを持っていても、それを表現する手段がなければ、「変わった人」「理解しがたい人」とされ、時に「障害者」とラベルを貼られてしまうこともあります。
 親が、わが子の特性を「障害」としてだけでなく、「その子らしさ」として受け止めるとき、子どもは安心し、自分を信じる力を少しずつ育てていくのではないでしょうか。もちろん、日々の生活には困難もあります。けれど、社会が多様性を受け入れ、寛容さを示すことができれば、保護者のまなざしは、子どもにとって希望の種になります。
 この子は、少しみんなと違う。でも、それがこの子の個性であり、魅力なんだ、と周囲の人が受け入れた時、社会はより豊かなものになるのではないでしょうか。



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