「誰かに守られたい」「何かに挑戦したい」——そんな気持ちを抱いたことはありませんか？
　シンデレラコンプレックスとは、童話『シンデレラ』に由来する心理学用語で、女性が無意識のうちに男性に依存し、人生の困難を自分で乗り越えるよりも、理想の王子様や環境の変化に期待する傾向を指します。自立よりも受動的な安心感を求め、家庭に入ることや社会的責任から距離を置くことで安定を感じるケースもあります。
　一方、ダイアナコンプレックスは、ギリシャ神話の女神アルテミス（ローマ神話ではダイアナ）に由来する概念です。狩猟と純潔を司る勇敢な女神のように、「男性に負けたくない」、「自分の力で道を切り拓きたい」と願う、強い自立志向や競争心を伴う心理です。性別や家庭の枠に縛られず、能力を発揮したいという欲求が根底にあり、社会進出やキャリア形成に意欲的な女性に多く見られます。
　シンデレラは「依存・受動・守られたい」、ダイアナは「自立・能動・挑戦したい」という心理の象徴です。もちろん、どちらか一方だけを持つわけではなく、両方が心の中に共存することもあります。
　たとえば、子育て中の女性が「社会で活躍したい」と願う気持ちと、キャリアを築いている女性が「誰かに守られたい」と揺れる気持ちは、まさにこの二つの心理の葛藤です。どちらも間違いではなく、あなたの中にある大切な声です。
　もし、そんな気持ちの揺れにとまどい、一人で悩むことに疲れたら、どうぞ気軽にカウンセリングルームを訪れてください。