埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№55 親の性格と認知症 ~あなたのご両親はどうですか?~

心のコラム

№55 親の性格と認知症 ~あなたのご両親はどうですか?~


「親の物忘れが増えてきた」 「最近、怒りっぽくなった気がする」
40歳前後の方から、こうした親の変化についての相談を受けることが増えています。認知症は年齢だけでなく、性格やこれまでの生活習慣とも関係があるといわれています。
 東北大学の辻一郎教授の著書『病気になりやすい「性格」』では、スウェーデンの研究が紹介されています。それによると、不安や心配を感じやすく、物事を悲観的に捉えがちで、怒りやすい傾向のある人は、そうでない人に比べて認知症の発症率が高かったと報告されています。これは性格の良し悪しの問題ではなく、長年の生き方や心のクセが影響していると考えられています。
 辻教授はその理由として、強いストレスが続くと、記憶や学習を司る「海馬」がダメージを受けやすい点を挙げています。ストレスを感じやすい状態が長く続くことで、記憶力の低下につながる可能性があるのです。
 一方で、人との関わりを大切にし、責任感や自制心のある人は、認知症になりにくい傾向があるともいわれています。人との会話や社会的なつながりは、脳にとって大切な刺激になります。
 多くのご両親世代は、子どもの独立、退職、配偶者との死別など、人生の大きな変化が重なりやすい時期でもあります。また、同じ出来事でも、どう受け止めるかは人それぞれで、その違いが性格として表れます。親の性格を変えることはできません。
 しかし、家族としてできることはあります。話を否定せずに聞く、一緒に体を動かす機会を作る、人とのつながりを保てるよう支える。こうした日常の関わりが、結果として認知症予防につながることも少なくありません。親を理解する視点を持つことが、家族にとっての大切なケアの第一歩なのです。 
 すでに認知症の親を支えている方は、「もっと早く何かできたのでは」と自分を責めるかもしれません。しかし、認知症は誰かのせいというのではなく、これまでの人生を一生懸命生きてきた結果として起こることもあります。今の関わりこそ、親にとっても、あなた自身にとっても大切なケアです。どうか一人で抱え込まず、必要なときには周囲の支援や専門家の力も頼ってください。

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