埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№64 不登校からの旅立ち 〜その先をどう生きるか〜

心のコラム

№64 不登校からの旅立ち 〜その先をどう生きるか〜


 文科省が公表した最新の不登校児童生徒数は、小中合わせて過去最多になったそうです。中学生だけでも20万人を超え、35人学級なら2人前後が教室に通えていない計算になります。この数字をどう受け止めるかは、人によって違うのかもしれません。
 いまは共働き家庭が多く、祖父母の支援も得にくく、近所づきあいも希薄です。そんな環境の中で、不登校の子どもたちはどのように一日を過ごしているのでしょうか。「助けて」と言いたくても言えず、家の中で、静かに息をひそめて、時が過ぎるのを待っている子もいるように感じます。
 中学校で不登校になると、多くの生徒が通信制高校を選びます。自分のペースで学べるという安心感があるからかもしれません。ただ、その先の道は決して平坦ではないように思います。大学進学には学習時間の不足という壁があり、専門学校は出席や実習が厳しく、心のエネルギーが十分でないと続けるのが難しい場面もあります。「頑張りたいのに体がついてこない」という声をよく耳にしてきました。
 もちろん、学習能力が高ければ道が開けることもあります。しかし、多くの不登校の子どもたちにとって、持って生まれた能力とは関係なく、圧倒的な学習時間の差を埋めるのは簡単なことではありません。努力が足りないのではなく、生きていくための「エネルギーそのもの」が枯れてしまっているのではないか。そんなふうに感じることがあります。
 だからこそ、まずはエネルギーを回復させることが大切なのだと思います。生活リズムを整え、安心できる人間関係の中で、小さな成功体験を積み重ねていくこと。その土台ができて、ようやく新たな旅立ちができるようになるのではないでしょうか。
 不登校は弱さの証ではありません。弱さを抱えたままでも生きていける道を、一緒に探していくこと。そのための場所や人が、社会にはもっと必要なのではないかと、感じています。

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