埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№68 うちの子は大丈夫? ~おし活・ゲームにはまる若者~

心のコラム

№68 うちの子は大丈夫? ~おし活・ゲームにはまる若者~


 近年、推し活やオンラインゲーム、VR空間などに強く惹かれ、そこを心の支えにする若者が増えています。「ゲームばかりしている」「推し活優先の生活をしている」と心配され、相談に来られる親御さんもいます。
 社会学者の山田昌弘氏は、著書『希望格差社会 それから』の中で、現代を「リアルで埋められない希望格差を、バーチャルで埋める時代」と表現しています。努力しても思うような結果につながりにくい社会のなかで、若者たちは「確実に応えてくれる世界」に安心や希望を見いだしているのかもしれません。
 不登校や職場での孤立、人間関係のつまずきなどを経験した若者は、「努力が足りない」わけでも、「甘えている」わけでもありません。傷ついた心を守るために、自分なりの安心できる居場所を探していることがあります。その意味で、推し活やゲームに熱中することを、単純に「現実逃避」と決めつけることはできません。
 推し活で得られる「好き」という感情は心を温め、ゲームやオンライン空間では達成感やつながりを感じることもあります。こうした時間が、心を休ませる大切な場になっている場合もあるのです。大切なのは、それが、ただ現実から離れるためだけの場所になっていないか、という点です。十分に休み、安心感を取り戻したあとで、少しずつ日常へ向かうエネルギーが回復していくなら、それは「充電の時間」とも言えるでしょう。
 親御さんのなかには、「自分の育て方が悪かったのでは」と自分を責める方もいらっしゃいます。しかし、すべてを家庭の問題として抱え込む必要はありません。今は、学校や職場、人間関係のなかで「頑張っても報われにくい」と感じやすい時代でもあります。
 だからこそ大人にできるのは、頭ごなしに否定することではなく、「何が楽しいの?」「そこではどんな気持ちになれるの?」と関心を向けること、そして小さな成功体験を積める場を一緒に探していくことではないでしょうか。

PAGE TOP