埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№94 ドパガキは依存症か現実逃避か? ~刺激に沼る、その心は?~

心のコラム

№94 ドパガキは依存症か現実逃避か? ~刺激に沼る、その心は?~


 最近、若者たちの間で「ドパガキ」という言葉が囁かれているのをご存知でしょうか。「ドーパミン」と「ガキ(子供)」を掛け合わせた造語で、SNSのショート動画を何時間もスクロールし続けたり、刺激的なゲームや衝動買い、暴飲暴食などに我を忘れて没頭する姿を自虐的に呼ぶ表現だということです。
 こうした行動の背景には「ドーパミン」という脳内物質が深く関わっています。ドーパミンは、何かを手に入れたいという期待や欲求、行動への動機づけに関係しています。一方で、「アドレナリン」は緊張や興奮を高め、身体を覚醒させます。この2つが重なることで、脳の報酬系や覚醒に関わる仕組みを刺激し、画面に引き込まれるような状態を生み出します。
 ショート動画やゲームなどのデジタルコンテンツには、次々と新しい刺激や予想外の情報が現れる仕組みがあります。気がつけば、あっという間に1時間。いや、2時間。時間泥棒も顔負けです。では、この「ドパガキ」状態は、「依存症」なのでしょうか。それとも単なる「現実逃避」なのでしょうか。
 カウンセリングの現場から考えると、背景には、日常のストレスや孤独感、答えの出ない不安等から、一時的に目を背けたいという心理があるように思います。ただ、こうした手軽な現実逃避を繰り返しているうちに、刺激を求める行動が習慣化し、自分の意志ではコントロールしにくくなることがあります。
 そうなると、単なる暇つぶしや現実逃避を超えて、ゲーム障害などの行動への依存を考える必要が出てきます。「ドパガキ」状態は、現実の生活に満足できず、手軽な刺激に心の安らぎを求めている若者が抱える「生きづらさ」の裏返しといえなくもありません。
 もし自分や家族の誰かがこのような状態にあるとしたら、無理にやめさせようとする前に、「なぜ、そこまで現実から離れたいのだろう」と考えてみてください。スマホやゲームをやめたからといって、心の問題まで解決するわけではありません。読書や運動、散歩、人との会話など、現実の世界にも楽しみや喜びを見つけられるようになることも大切です。
 かつて詩人で劇作家の寺山修司は、「書を捨てよ、町へ出よう」と若者たちに呼びかけました。ハロウィンの季節です。若者よ、スマホやゲーム機を置いて、街へ出よう!一人でコントロールが難しいと感じたら、抱え込まずにご相談ください。

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