内閣府の定義による「孤立死」とは、自宅などで一人暮らしのまま亡くなり、死後8日以上経過して発見されたケースを指します。2024年の孤立死者数は2万1856人という、驚くべき数です。これだけ多くの人が誰に知られることなく、ひっそりと亡くなっているのです。
年齢別では65歳以上が7割を占め、男女別では男性が約8割に達しています。日本福祉大学の斉藤雅茂教授は、55~59歳男性の孤立死率が7.6%と他の属性よりも高く、社会的なつながりの弱さが背景にあるのではないかと指摘しています。
内閣府の調査によれば、50代男性の「困ったときに頼れる人がいない」「相談する人がいない」が合わせて33.5%に達し、孤立の度合いが顕著です。この世代の男性が孤立しやすい要因には、社会的役割への「思い込み」もあるといわれています。
ジェンダー社会学の伊藤公雄京都大学名誉教授は、「男は稼ぎ手であるべき」という価値観が依然として根強く残り、その重圧が「弱みを見せる」ことや「助けを求める行動」を妨げているのではないかと指摘しています。さらに、管理職世代の男性が多様な価値観を持つ部下とのコミュニケーションに苦慮し、職場でも孤立感を深めている現状があるといわれています。
孤立死の背後には、誰かに頼りたかったけれど頼れなかった人々の切ない人生があります。私たち一人一人が、地域や職場でお互いに「声をかけ」「耳を傾ける」ことを心掛けましょう。その小さな行動の積み重ねが、孤立死を防ぐ第一歩となります。
もし、あなたが「誰にも頼れない」と感じていたら、カウンセリングルーム・ウィルを訪ねてください。相談は弱さではなく、生きる力をつなぐ行為です。

心のコラム
№44 孤立死の多くが50代後半の男性

心のコラム