埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№38 自分探しの旅症候群

心のコラム

№38 自分探しの旅症候群


 いまの会社の仕事や与えられたポストでは、自分を生かすことができない。大学に入学したけれど、なぜか、授業がつまらない。この大学では自分のやりたいことが得られないのではないか。自分のやりたいことや能力を発揮できる場所はどこかほかのところにあるはずだ。そう考えて、転職や転学をする人、リスキリングのために学びなおす人、海外に語学留学をする人、アーチストになる夢を追う人達がいます。
 自分の人生と真摯に向き合い、人間としての在り方生き方を考えるという意味では、とても素晴らしいことです。問題は、それを何度も繰り返すことです。どんな職業や学問にも厳しい場面はあり、自分が思い描いていた理想と現実には落差があります。環境や場所をいくら変えても、自分自身が成長していかなければ、同じ結果となるのではないでしょうか。
 「本当の幸せ」や「理想の自分」を求めて、環境や仕事、人間関係を次々と変えてしまう心理傾向を「青い鳥症候群」ともいいます。貧しい家に育ったチルチルとミチルの兄妹が、幸福を招くという青い鳥を求めていろいろな国に旅に出か けますが、夢から覚めてみると「幸福の青い鳥」は実は自分の家にかっていた鳥だったというメーテルリンクの童話にちなんでつけられた名前です。
 理想を求めて歩き続けることは、決して悪いことではありません。ただ、立ち止まって自分の心と向き合う時間も同じくらい大切です。どのように自分と向かい合ったらよいのか。迷ったら、気軽にカウンセリングルームを訪れてください。お待ちしています。

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