人生は選択と決断の積み重ねですが、中でも進学、就職、結婚はとりわけ重大な決断をせまられる選択です。しかし、多くの若者はその選択や決断の前で立ちすくんでいるように思います。失敗したくない、という思いが強いからだと思います。
失敗したらやり直せばいい、と気楽に言えるのは、高度経済成長と平和な社会を生きてきた団塊世代の価値観です。努力は報われる、明日は、今日より良くなると信じられた時代です。
しかし、バブル崩壊以降のいわゆる「失われた30年」に生まれ育った若い人たちにとって、明るい未来を想像することは難しい時代だったのかもしれません。彼らは欲しがらず、欲張らず、目立たず、今ある安心を壊さないことを学んできました。
競争するより、無難に過ごす方が傷つかない。挑戦して注目されるより、波風立てずに生きるほうが安全。そうやって「失敗しない生き方」を身につけてきたのではないでしょうか。
でも、本当に望んでいることは何でしょう?「やりたいことがない」のではなく、選んだ途端に「責任」や「比較」や「失敗の可能性」に直面するのが怖いのです。だから進めない。だから迷う。だから立ち止まる。その気持ちは、決して弱さでも怠惰でもありません。慎重さであり、繊細さであり、現実を見つめる感性です。それは、誠実に生きようとする姿そのものだと思います。
では、どうすればいいのでしょう?答えは「無理に動くこと」でも「説教されること」でもなく、自分の気持ちを丁寧に整理し、将来の不安を言葉にすることです。一人で抱え込むと不安は膨れあがります。でも、誰かと一緒に考えれば、霧は少しずつ晴れていきます。未来は、明るいか暗いかではなく、とまどいながら選択し決断しながら、つくっていくものなのだと思います。
もし、あなたが今「立ちすくんでいる」なら、心理カウンセリングルーム・ウィルにおいでください。ここは、あなたを評価したり、否定したりする場所ではありません。あなたの未来を、あなたと一緒に考える場所です。
