埼玉県寄居町のカウンセリングルーム

心のコラム

№47 登校をしぶる理由って何?

心のコラム

№47 登校をしぶる理由って何?


 はっきりした理由がないのに、小学校高学年や中学生の子どもが「学校に行きたくない」と言い出すと、多くの保護者は、いじめや担任教師とのトラブルなど、まず学校側の問題を疑います。次に考えられるのが、ゲームやスマホによる生活習慣の乱れからくる「わがまま」ではないか、という見方です。
 確かに、そうした要因がきっかけになることもあります。しかし、「朝なかなか起きられない」「午前中は体が動かない」と訴える場合、その背景に「起立性調節障害(OD)」が隠れていることがあります。ODは、自律神経が血圧や脈拍をうまく調整できなくなる状態で、立ち上がったときにめまいや強いだるさを感じるのが特徴です。特に中学生では、約1割が経験するといわれ、不登校の大きな要因の一つとして注目されています。
 思春期は、急激な身体の成長やホルモンバランスの変化によって、自律神経が乱れやすい時期です。そこに部活動や進路への不安、スマホ使用による睡眠不足などが重なることで、心身の負担は一気に高まります。
 また、思春期の脳、とくにストレスを調整する前頭前野は、20代まで発達の途中にあります。そのため人間関係や学校での緊張に非常に敏感で、強いストレスがかかると「逃げたい」という生存本能が働きます。登校しぶりは怠けではなく、心と体が限界に近づいているサインなのです。
 「行きたい気持ちはあるのに、体がついてこない」。この苦しさを、子ども自身が一番抱えています。理由を言葉にできないのも、脳が不安を整理しきれないためです。どうか「育て方が悪かった」と一人で抱え込まず、早めに専門家の力を借りてください。安心して学校に向かえるペースは、必ず一緒につくっていけます。

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