頼まれると「NO」と言えずに、何でも引き受けていませんか。何とか期待に応えなくてはと、頑張りすぎていませんか。あなたの悩みのもとは、あなたの優しさが原因かもしれません。
カウンセリングルームや学生相談室を訪れる人には、優しくて思いやりがあり、気配りのできる人が少なくありません。学校では友だち思いで、職場では責任ある仕事を任され、家庭では家族を支え、地域では役員や世話役を引き受ける。
「頼まれたから」「自分がやらなければ」と、ついつい頑張ってしまいます。周囲からは「本当にいい人ですね」「助かります」と感謝されますが、その言葉を励みに頑張り続けた結果、心身ともに疲れてしまいます。周りに気配りができ、思いやりをもつことは素晴らしいことです。でも、自分を犠牲にしてまで優しさを続けていると、やがて心の余裕を失ってしまいます。
オーストリアの精神科医アドラーは、「すべての悩みの原因は対人関係の悩みである」といっています。そして、対人関係の悩みを解決するには他者から嫌われる勇気をもつこと。周囲の人たちの評価を気にかけず、「嫌われることを恐れないで行動しない限り、自分らしい生き方を貫くことはできない」といっています。
「でも、嫌われる勇気はありません。」という人もいます。その気持ちはよく分かります。だから、「もっと自己主張しましょう」とか、「断れる人になりましょう」とは言いません。ただ、ときには「今回はできません」「少し考えさせてください」と伝える勇気も必要です。不思議なことに、優しい人に限って自分に厳しいのです。
どうか、自分にも優しくしてください。あなたもまた、この世に一人しかいない、かけがえのない人なのですから。もし、一人で抱え込むことがつらくなったら、そのときはどうぞカウンセリングルームにおいでください。

心のコラム
№77 いい人だから悩むのです ~でも、嫌われる勇気はありません~

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