情報系専門学校のスクールカウンセラーとして、毎年100人以上の学生と個別面談をしていて感じることの一つに、異性の友達や恋人を持っている学生が少ないということがあります。
国立社会保障・人口問題研究所の「第16回出生動向基本調査」(2021年)によると、18~34歳の未婚者で、現在恋人と交際中の男性は21.1%、女性は27.8%にとどまっています。また、未婚者の約3人に1人は、異性との交際を特に望んでいないという結果も出ています。
先日、日経新聞(8月31日付)に、日本と韓国の商工会議所による、20歳~39歳の男女計4000人を対象にした共同調査の結果が掲載されていました。
①「生涯、結婚するつもりはない」と答えた独身者
日本:42.4% / 韓国:18.6%
②「恋人や婚約者がいる」と答えた人
日本:21.4% / 韓国:32.2%
③「自分の国の未来を明るくできる」と答えた人
日本:19.8% / 韓国:34.7%
日本の若者は、恋人を持つ人も、結婚しようと考える人も少ないようです。なぜ学生たちは異性の友達や恋人を持たないのでしょうか。あるいは、持てないのでしょうか。
本人たちに聞いてみると、「面倒くさい」「傷つきたくない」「自分の時間を奪われたくない」「経済的に余裕がない」「そもそも異性との付き合い方が分からない」など、様々な答えが返ってきます。しかし、興味や関心がありながらも、「自分の容姿に自信がない」「何を話していいのかわからない」「嫌われるのが怖い」といった、自己肯定感の低さや、人との関係で傷つくことへの不安が隠れているように感じることもあります。
恋人がいなくても、結婚しなくても、それ自体に何か問題があるわけではありません。しかし、人を好きになり、人に好かれ、時には傷つき、喜びながら人間関係を学んでいく経験は、人生を豊かなものにしてくれるのではないでしょうか。
かつて明治政府に招かれ、札幌農学校で教鞭をとったウィリアム・S・クラーク博士は、アメリカへの帰国に際して、「Boys, be ambitious!( 少年よ、大志を抱け )」という有名な言葉を残しましたが、今なら、「Youths, seek love!(若者よ、恋をしよう)」と言うかもしれません。

心のコラム
№86 恋人は要らないという若者たち~その本音と建前~

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